商業集積地に一番近い“ふしぎの森” 
 網走から知床に向かう国道244号は左手にオホーツク海が広がり、晴れた日には知床半島が海に浮かぶように見えることから、ほとんどの観光客は海側に注意がいくのだろう。右手といえばJR釧網線が並行して走り、その線路伝いに深い緑に覆われた崖が続いているだけだからだ。
 実はこの緑が ただの緑ではなく“ふしぎの森”なのだ。実際に崖の上にいってみよう。高台への上り口は主に2つ。網走市役所近くからと鱒浦漁港近くから上がる道だ。網走市民が通称高台地区と呼ぶこのエリアは中心市街地から近い順に台町、駒場、つくし、潮見地区とあるのだが、特に駒場、つくしエリアは真ん中に市道333通が走り、大型店などロードサイドショップが立ち並ぶ一大商業集積地となっている。つまり、網走に詳しい人以外、海岸線を走っても、高台地区を走ってもほとんど気づかれることのない“ふしぎの森”なのだ。
●知床に向かう国道244号(海岸線)。左はオホーツク海、右は緑に覆われた崖伝いにJR釧網線が並行して走る。この崖に沿って広がるうっそうとした森に散策道路が整備されていることなど、市民以外ほとんど知らずに通り過ぎている。
●高台地区のど真ん中を市道333通が走り、両サイドには大型店などロードサイドショップが立ち並ぶ。直進すると下りながら左にカーブし海岸線の国道244号に合流する。この道路のどこでも左折すると突き当たり、崖伝いに森が広がっている。
●この森の名は「こまば木のひろば」という。入り口は、数ヶ所あるが、交通量の多い市道333通からほんの100mほど海側(実際は崖側)に進むだけで大体は入れる。洋服の青山横(上記写真)から入るコースは一部を一周できるように舗装されているので車椅子や乳母車でも楽しめる。
●この森の特色は、巨木が多いことや中ほどには広場があり公園の要素もありながら手付かずの部分も残っていること、加えて川や滝まであること、崖の際にあるのでオホーツク海や知床連山が望めることなどいくつもあるが、なんといっても一大商業集積地に隣接していることだろう。現在も大掛かりな商業・アミューズメント施設が建設中だが、その裏側にこれほどの別世界空間が存在するのは全国的にも相当珍しいと思われる。
●近代的な経済発展地域に隣接する深い森。この存在は、まさしく“ふしぎの森”だ。