オホーツクの秘湖「チミケップ湖」
 原始の森深くひっそりと佇むチミケップ湖は、面積1.2ku、周囲7.5kmの小さな湖だ。国道のルートからもはずれ、未舗装の道路もあり、かつ、冬期になると一部閉鎖されるという状況から、観光ルートからはずされ、あまり知られていない。これがオホーツクの秘湖といわれる所以だ。
 チミケップとはアイヌ語で「崖を破って水が流れる所」という意味で、1万年ほど前に谷がせき止められてできた湖と考えられている。
  チミケップ湖は阿寒湖と共にヒメマスの原産地。この二つの湖のヒメマスが支笏湖や十和田湖などに放流されて自生している。湖周辺は自然歩道が整備されており、湖北東岸には町営キャンプ場、東岸にはチミケップホテルがある。南岸の端から200 m下流のチミケップ川には7段の岩床の上を流れ落ちる「鹿鳴(ろくめい)の滝」がある。
 今回は津別側から車で入り、湖を左回りに半周するコースを紹介しよう。
 津別町中心部から約25分の距離。陸別方面に向かう国道240から、途中右手に看板が見えたら右折。道道494号線に入り、しばらく進んでいくと鹿鳴の滝があり、さらに行ったところで深い森に抱かれた神秘の湖「チミケップ湖」が見える。湖を左に見ながら進むとまもなくチミケップホテルに到着。
 チミケップホテルは小規模ながらも本格派のリゾートホテル。泊まらなくても喫茶・軽食ができるのが嬉しい。さらに進むと右手に森林散策道路の入り口がある。早速森林ウォークだ。
 散策道路は、探鳥遊歩道と見晴台コース、樹木園コースの3つのコースに分かれる。いずれも800m〜1000m程度。今回は見晴台コースを選択。
  少し歩くと右手に風変わりな木がある。空洞になっているのだが、中だけが黒く焼け焦げている。多分落雷があったのだろうがかなりの高さで残っている。
 しばらく進むと小川が流れ、木の階段がある。このあたりまで来ると木々に陽がさえぎられ、森の中は少し暗いが、木漏れ日がスポットライトのように浮かび上がらせる自然のアート作品に目を奪われる。なおも進むと突然開けた場所に出る。ここでほぼ中間点。残り500mで見晴らし台だ。

 さらに進むのだが、初めてのためクマが気になり、鍵束をチャラチャラ鳴らしながら歌も数曲披露。少し視界が開けてきた。
 ようやく見晴台に到着。見晴らし台は近い場所に1と2があり、2つの眺望が楽しめる。
(上:第1見晴台からの眺望)

(上:第2見晴台からの眺望)
 行きは初めてのこともあり、不安でいっぱいだったが、この眺望を目にすると来て良かったと誰もが思うだろう。
 2つの見晴台は数十メートルしか離れていないが真ん中に樹木が生い茂っているため2箇所にしたのだろう。
 チミケップ湖は原生林に抱かれて静かに佇む神秘の湖と称されるのがよくわかる。
 幸いに天候に恵まれたから良かったが、天候次第では注意が必要だ。
  いずれにしても距離的には1kmちょっと。さほど難儀する行程ではない。 秋の紅葉時期が特に美しいらしいが、夏はとにかく歩いていてとても心地よい。
 森林浴をかねてのんびりと「森林ウォーク」をするにはオススメだが、くれぐれもクマ対策には万全を期そう。
 帰り道は、来た道を戻るので不安は全くなし。まわりの植物を観察する余裕も出てきた。次回は探鳥遊歩道と樹木園コースにチャレンジだ。
 森林散策道入り口から車道に戻り少し行くと左手にキャンプ場がある。静かな湖畔の森のかげから・・・という歌があるが、まさしくこの場所がふさわしい。
 キャンプ場の道路を挟んだ向かい側には探鳥遊歩道があり、バードウォッチングが楽しめる。森の中ですぐにカブトムシを発見。
 湖周辺ではホーストレッキングやカヌー体験ができるのも嬉しい。
 ここまで楽しんだところで帰路に着く。そのまま湖を左手に見ながら進むと、途中から森のトンネルのような道路がかなり長く続くのだが、木漏れ日が道路にまだら模様を描く様は、なんともいえない幻想的な空間だ。
 森のトンネルをようやく抜けると視界が開け、そのまま進むと北見-訓子府を結ぶ車道にぶつかり、急に現実に引き戻される。
 JR北見駅からは道道27号線〜道道682号線を経由しチミケップ湖方面へ。車で約50分の距離。
 まさにチミケップ湖は癒しの異次元空間のようなところだった。